目次 > 第2章 Server(Web)版チュートリアル > 2.2 チュートリアル学習環境の整備
2.2 チュートリアル学習環境の整備
本節では、チュートリアルを学習するための環境整備について説明する。
備考
環境整備をOracleまたはPostgreSQLで行いたい場合は第3章 Appendixを参照のこと。
想定環境
本資料では以下の開発環境を想定して、解説している。
- フレームワーク:TERASOLUNA Server Framework for Java(Web 版) ver2.0.2.0
- OS:Microsoft Windows 2000 / XP Professional
- JDK:Java SE 5.0
- Webアプリケーションサーバ:Apache Tomcat 5.5.xx (xxはバージョン番号)
- データベース:H2 Database Engine 1.0.xx
- ビルドツール:Apache Ant 1.6.xx (EclipseのAntプラグインのみでも可)
- 総合開発環境:Eclipse SDK 3.2.xx
- Eclipse plugin :WTP 1.5.xx, Property Editor 4.8.xx
インストール/開発環境の整備
(1) アプリケーションの用意
本書で必要となるアプリケーションを以下に用意する。
- Java SE 5.0
- Apache Tomcat 5.5.xx
- H2 Database Engine 1.0.xx
- Eclipse SDK 3.2.xx
- WTP 1.5.xx
- Property Editor 4.8.xx
(2) アプリケーションのインストール
用意した各アプリケーションをインストールする。本資料ではアプリケーションをそれぞれ以下のディレクトリにインストールすると想定して記述している。
アプリケーション | インストールディレクトリ |
Java SE 5.0 | C:\Program Files\java\jdk1.5.0_xx (xはバージョン番号) |
Eclipse 3.2.2+プラグイン | C:\Eclipse |
Tomcat 5.5.xx | C:\Program Files\Apache Software Foundation\Tomcat 5.5.xx |
Workspaceディレクトリ | C:\Eclipse\workspace |
Javaホームディレクトリの設定
ここでは以下のように環境変数を設定する。
- JAVA_HOME : C:\Program Files\Java\jdk1.5.0_xx
- path : %JAVA_HOME%\bin;
インストール済みJREの設定
- Eclipseの「ウィンドウ(W)」→「設定(P)」メニューを選択する。
- 「java」→「インストール済みのJRE」で、「jdk1.5.0_xx (xxはバージョン番号)」にチェックがついていることを確認する。
- 「java」→「コンパイラー」で、「JDK 準拠」のコンパイラ準拠レベルが“5.0”になるように設定する。
Tomcatの設定
- Eclipseの「ウィンドウ(W)」→「設定(P)」で「サーバー」→「インストール済みランタイム」を選択する。
- 「追加」ボタンを押下し、「Apache Tomcat v5.5」を選択し、「次へ」を押下する。
- 既に「Apache Tomcat v5.5」が選択されている場合は、「編集」ボタンを押下し、インストールディレクトリが正しいか確認する。
- 以下のように入力し、「終了」を押下する。
- 名前:Apache Tomcat v5.5
- Tomcat インストール・ディレクトリー:C:\Program Files\Apache Software Foundation\Tomcat 5.5.xx(xxはバージョン番号)
- JRE:ワークベンチデフォルトJRE
- Eclipseの「ファイル(F)」‐「新規(O)」-「その他(N)」メニューを選択する。
- ウィザードの選択から「サーバー」‐「サーバー」を選択し次へを押下する。新規サーバーから「Apache」‐「Tomcat v5.5 サーバー」を選択する。
- サーバー・ランタイムで「Apache Tomcat v5.5」が選択されていることを確認し、「終了」ボタンを押下する。
- 「Apache Tomcat v5.5」が選択されていない場合は「インストール済みランタイム」を押下し、選択する。
構文チェックの設定
- Eclipseの「ウィンドウ(W)」‐「設定(P)」メニューを選択する。
- 「妥当性検証」を選択し、「JSP構文バリデーター」のチェックを外し、「OK」を押下する。
(3) プロジェクトの準備
本書で使用するチュートリアルアプリケーションではServer(Web)版で提供しているブランクプロジェクトを使用する。
ここでは“terasoluna-server4jweb-blank_2.0.2.0.zip”ファイルを“C:\Eclipse\workspace”直下に展開する。
(4) プロジェクトのインポート
「(3)プロジェクトの準備」で作成した “C:\Eclipse\workspace\terasoluna-spring-thin-blank”をEclipseで編集 出来るようにインポートする。
- Eclipseを起動する。
- 「ファイル(F)」‐「インポート(I)」を選択する。
- 選択画面では「既存のプロジェクトをワークスペースへ」を選択して、次へを押下する。
- 「プロジェクトのインポート」画面ではルートディレクトリの選択欄に“C:\Eclipse\workspace\terasoluna-spring-thin-blank”を指定し、終了を押下する。
- 「パッケージ・エクスプローラ」よりインポートしたプロジェクトを開き、Webアプリケーション・ライブラリー[{0}]内にjarファイルが存在しているかを確認する。存在しない場合は、プロジェクトを右クリックして、「プロジェクトを閉じる」を選択し、再度プロジェクトを選択し「プロジェクトを開く」を選択する。それでも表示されない場合は、Eclipseを再起動する。
- 「パッケージ・エクスプローラ」よりインポートしたプロジェクトを開き、「サーバー・クラスパス・コンテナー」と表示されたものがないことを確認する。ある場合は、「(2)アプリケーションのインストール」のTomcatの設定作業を行っていない可能性があるので再度行い、その後、「サーバー・クラスパス・コンテナー」を選択し、右クリックメニューより「構成」を選択し、「Apache Tomcat v5.5」を選択し、「終了」を押下する。その後、Eclipseを再起動する。
- Eclipseの「プロジェクト(P)」‐「クリーン(N)」を選択し、すべてのプロジェクトをクリーンにチェックを入れて「OK」を押下する。
以下ににインポートした"terasoluna-spring-thin-blank”のプロジェクト構成を示す。
- terasoluna-spring-thin-blank
- sources
- application-messages.properties
- ApplicationResources.properties
- calendar_ja.properties
- commons-logging.properties
- log4j.properties
- log4j.xml
- pageLinks.properties
- sqlMap.xml
- system.properties
- system-messages.properties
- JRE システム・ライブラリー
- Tomcat v5.5 ランタイム
- Web アプリケーション・ライブラリー[{0}]
- ant
- terasoluna
- webapps
- image
- javascript
- META-INF
- context.xml
- stylesheet
- WEB-INF
- dtd
- lib
- tlds
- applicationContext.xml
- blogic-io.xml
- blogic-io-rules.xml
- commonContext.xml
- moduleContext.xml
- reset.xml
- reset-rules.xml
- sqlMapConfig.xml
- struts-config.xml
- validation.xml
- validator-rules.xml
- validator-rules-ex.xml
- web.xml
- error.jsp
- index.jsp
- welcome.jsp
- sources
また、本資料で使用する各設定ファイルの解説を下表に示す。
ファイル名 | 説明 |
sqlMap.xml | SQL設定ファイル。SQL文を設定する。 |
applicationContext.xml | Spring設定ファイル。アプリケーション全体のBean定義ファイル。データソース、トランザクション、DAO、iBATISの設定を行う。 |
blogic-io.xml | TERASOLUNAの入出力設定ファイル。アクションフォームとビジネスロジック間の値の入出力を設定する。 |
moduleContext.xml | Spring設定ファイル。モジュール固有のBean定義ファイル。アクション、ビジネスロジックの設定を行う。 |
struts-config.xml | Struts設定ファイル。アクションフォームやアクションパスの設定を行う。 |
validation.xml | バリデーション設定ファイル。 |
web.xml | Webアプリケーション設定ファイル。フィルタの設定を行う。 |
(5) アプリケーションの動作確認
- サーバービューから「(2)アプリケーションのインストール」のEclipseの設定で追加したサーバーを選択して右クリックする。
- 右クリックメニューの中から「プロジェクトの追加と除去」を選択する。
- 使用可能プロジェクトの中に「(4)プロジェクトのインポート」でインポートしたプロジェクトがあるので、構成プロジェクトに追加する。
- 「サーバーを始動」ボタンを押下する。
- サーバー起動後、ブラウザを起動し以下にアクセスする。「-- ようこそTERASOLUNAへ --」と表示されることを確認する。
- AAA:8080/terasoluna-spring-thin-blank/
(6) データベースの設定
- チュートリアルプロジェクト“tutorial-thin”の“h2db”フォルダを“terasoluna-spring-thin-blank”直下にコピーする。
- 以下にh2dbフォルダ内のファイルを示す。
- h2.jar:H2DB本体。JDBCドライバも含む。
- h2db_console.bat:H2コンソール起動バッチファイル。
- h2db_init.bat:チュートリアル用初期データ挿入バッチファイル。
- h2db_start.bat:H2DB起動バッチファイル。
- terasoluna.script:チュートリアル用初期データスクリプトファイル。
- 以下にh2dbフォルダ内のファイルを示す。
- “h2db_start.bat”を起動する。
- 起動直後、自動的にブラウザ上で管理コンソールが起動する。起動しない場合は“h2db_console.bat”を起動する。
- “h2db_init.bat”を起動する。
- H2コンソールで初期データを確認する。以下状態で「接続」を押下する。
- 保存済設定:Generic H2 (Embedded)
- 設定名:Generic H2 (Embedded)
- ドライバクラス:org.h2.Driver
- JDBC URL:jdbc:h2:~/terasoluna
- ユーザ名:sa
- パスワード:(入力なし)
接続後、左側に“USERLIST”テーブルが表示されていることを確認する。
SQLステートメントの欄に、「SELECT * FROM USERLIST」と入力し、「実行」ボタンを押下する。
以下のように、初期データが表示されることを確認する。
- チュートリアルアプリケーションでDBへ接続するため、“h2db”フォルダ内の“h2.jar”ファイルを以下のフォルダにコピーする。
- terasoluna-spring-thin-blank\webapps\WEB-INF\lib
- C:\Program Files\Apache Software Foundation\Tomcat 5.5.xx\common\lib (xxはバージョン番号)
- “terasoluna-spring-thin-blank\webapps\META-INF\context.xml”を開き、JNDI用プロパティの設定を変更する。初期状態ではOracleの設定が有効になっているため、以下のようにOracleの設定を削除もしくはコメント化し、H2DBの設定を追加する。
<!-- - 「データベースがOracleの場合の設定」 - 【記述書式】 - driverClassName=[ドライバ名称] - username=[データベースログイン名称] - password=[データベースログインパスワード] - url=jdbc:oracle:thin:@[データベースサーバIPアドレス]:[ポート番号]:[インスタンス名] - 【設定例】 --> <!-- <Context> <Resource name="jdbc/TerasolunaSampleDataSource" type="javax.sql.DataSource" driverClassName="oracle.jdbc.OracleDriver" username="xxxxx" password="xxxxx" url="jdbc:oracle:thin:@xxx.xxx.xxx.xxx:1521:sampledb" maxIdle="2" maxWait="5000" maxActive="4"/> </Context> --> ・・・略・・・ <!-- - 「データベースがH2DBの場合の設定」 - 【記述書式】 - driverClassName=[ドライバ名称] - username=[データベースログイン名称] - password=[データベースログインパスワード] - url=jdbc:h2:tcp://[データベースサーバIPアドレス]:[ポート番号]/[データベース名称] - 【設定例】 --> <Context> <Resource name="jdbc/TerasolunaSampleDataSource" type="javax.sql.DataSource" driverClassName="org.h2.Driver" username="sa" password="" url="jdbc:h2:tcp://localhost/~/terasoluna" maxIdle="2" maxWait="5000" maxActive="4"/> </Context>