マエストロ レオリン:
彼女の言ったことは、今でもはっきり覚えているぞ。柔らかく、音楽のような甘い声で話してたな。「もうすぐ、大陸の運命を左右する人物があなたのところに来るでしょう。その人のために最高級の武器を作ってください」と...。そして、明るく微笑みながら背を向けて歩いていった。黒いナイトは俺に金貨がたっぷり入った袋をくれて、武器を作る費用に使えと言ってたな。
しかし、何週間過ぎても誰も来ないんで、俺は偏屈な貴婦人だったんだなと思って、その女と出会ったことも忘れちゃったし、その金は酒代につぎ込んだってわけだ。