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Battle for Wesnoth 日本語版ガイド
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概要
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Battle for Wesnoth の国際化対応のレベルは非常に高いものですが、それでも日本人がプレイする上で不都合な点はいくつか存在します。
+この日本語版は、いずれ本家がまっとうな方法で対応してくれるまでのつなぎとして、日本人が Battle for Wesnoth をよりプレイしやすいよう若干の改良を加えたものです。
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http://sourceforge.jp/projects/wesnoth-ja/ にて公開されています。
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以下にこの日本語版 (wesnoth-1.9.6-sdlskk-20110514) の特徴について順に述べます。
+なお以前の日本語版 (wesnoth-1.9.2-sdlskk-20101107) を利用されていた方への新しいトピックはありません。単にベースを 1.9.2 から 1.9.6 に更新しただけのものです。
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1. SDLSKK 対応
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Battle for Wesnoth の Windows 版は、IME による日本語入力ができません。これは主に現バージョンの SDL の制限によるものです。マルチプレイ時のチャットがローマ字でしか行えないというのはかなりストレスのたまるものでした。
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この問題を解消するため、SDLSKK ライブラリを組み込みました。IME による直接入力ではないものの、SKK に準じた操作で日本語入力が行えます。
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操作方法
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SKK に準じますので、詳しくは専門の Web ページを参照してください。憶えておくと便利なキーを以下にまとめます。
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+- SHIFT+SPACE
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+SDLSKK による入力の開始・終了を切り替えます。これだけ憶えておけば、最低限ひらがな入力だけはできます。
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+- SPACE
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+変換入力中であれば漢字変換を行います。すでに漢字変換中であれば次の候補を表示します。もし変換候補が出尽くした場合は単語登録モードになります。単語登録モードをキャンセルするときは単に Enter を押せば OK です。
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+- x
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+漢字変換中であれば前の候補を表示します。SPACE を押しすぎて候補を通り過ぎたときに使います。日本語キーボードであれば [変換] キーでも同様の動作をする、かも。
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+- q
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+カタカナとひらがなの入力切り替えを行います。変換入力中であればカタカナ変換を行います。日本語キーボードであれば [無変換] キーでも同様の動作をする、かも。
+なお単語登録モードをまっとうに活かすため、wesnoth-1.8.4-sdlskk-20100915 の Enter による自動 q 機能は廃止されました。
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+- l (小文字のエル)
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+日本語モードから半角英数入力モードに移ります。日本語キーボードであれば [ローマ字] キー (ALT+[カタカナひらがな]) でも同様の動作をする、かも。
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+- CTRL+j
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+日本語モードに移ります。日本語キーボードであれば [ローマ字] キー (ALT+[カタカナひらがな]) でも同様の動作をする、かも。
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+- / (スラッシュ)
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+英単語変換入力を行います。/elf[SPACE] で「エルフ」と入力できるので、qeruhu とか Eruhuq とかより場合によってはスマートに入力できます。
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SKK の最も特徴的な点として、変換したい箇所の開始と終了を大文字で入力する必要がある、ということが挙げられます。たとえば「エルフのシェードたん萌え」と入力したいなら、Eruhu[SPACE]noShe-doqtanMoE[SPACE] と入力します。「誰か助けて、もうソース読みたくない」なら DareKaTasuKete,mouSo-suqYoMitakunai と入力します。
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設定ファイル
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data/sdlskk/sdlskk.cfg には以下のエントリがあります。
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+- font および family
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+表示に使用するフォントファイル名とフォントファミリ名を指定します。フォントは Wesnoth の Fonts ディレクトリに置いておくか、またはシステムにインストールされている必要があります。デフォルトでは MS UI ゴシック を使用します。
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+- forecolor_r/g/b および backcolor_r/g/b
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+表示に使用する前景色と背景色を指定します。デフォルトでは昔懐かしい DOS の FEP を彷彿とさせるどぎつい水色反転になっています。
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+- rule_table
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+ローマ字入力規則などの設定ファイル名を指定します。「ヘボン式や訓令式なんてくだらねぇぜ、ローマ字だってオレ流を通す!」みたいな方は自由に変更してください。
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+- user_dic
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+ユーザ辞書ファイル名を指定します。ユーザ辞書はユーザデータディレクトリの下 (Documents\My Games\Wesnoth1.8\data\sdlskk 等) に出力されます。
+ちなみにこの設定ファイル自体や辞書などもユーザデータディレクトリの下に置くことができます。
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+- dic_order
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+辞書ファイル名をカンマ区切りで指定します。annotation のない UTF-8 変換済みの SKK 用辞書を指定できます。前に書いたほうが変換候補として優先されます (ユーザ辞書はこれらよりさらに優先されます) 。デフォルトで SKK-JISYO.L とともに指定されている wesnoth-skkdic はまだサンプルレベルの内容です。日本語への翻訳で登場した単語なんかをここにまとめておけば入力が楽になるだろうなぁ、みたいな妄想と淡い期待が込められています。
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もし「他の機能はいいけどこの SDLSKK 機能だけウザい、氏ねばいいのに」とか心ない言葉が胸をよぎる場合はこの設定ファイル自体を削除すれば SDLSKK 機能は働かなくなります。GanbaTteKuMiKoNdanonil...
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2. フォントまわりの改善
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ふつーな感じの日本語化済み
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プログラム本体がせっかくほぼ完璧な日本語表示能力を持っているのに、公式パッケージからなぜか日本語フォントが外され、さらに wqy-zenhei.ttc が追加されたために、インストール直後の起動画面はとても残念なものになってしまっています。
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MS UI ゴシックを表示するよう設定した fonts.cfg が最初からインストールされるようにしたので、誰でもインストール直後からふつーな感じでプレイできます。
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システムフォントの参照
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Wesnoth で使用するフォントは基本的に fonts ディレクトリに置かれていなければなりませんでした。data\hardwired\fonts.cfg を変更しただけでは MS UI ゴシックを表示することはできず、fonts ディレクトリにフォントファイルをコピー (ないしリンク) する必要がありました。
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Windows\Fonts ディレクトリをまず検索するようにしたので、システムにインストール済みのフォントであればわざわざコピーしたりしなくても、data\hardwired\fonts.cfg に記述して使用できます。
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フォントファミリの反映
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これまで、ボタンなどに使用されている gui 名前空間のウィジェットにはフォントファミリの設定が反映されていませんでしたが、ちょこっと手を加えてみました。
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3. 曜日表示の修正
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データロードダイアログで曜日が化ける日本語 Windows 特有の問題を修正しました。(wesnoth-1.8.4-sdlskk-20100915 で行われた修正のままです)
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4. アンインストールの修正
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アンインストールの際、ディレクトリが正しく削除されない問題を修正してみました。
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5. MinGW クロスビルド環境への移行
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日本語化とは直接関係しませんが、いろいろと重要なことです。
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公式サーバへの接続性改善
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wesnoth-1.8.4-sdlskk-20100915 には公式サーバのうち server2 にしかうまくつながらない問題がありました。同様に VC++ で 1.9.0 をビルドすると server2 にだけうまくつながらないという問題が発生します。VC++ ランタイムと Wesnoth が用いるプロトコルとネットワークライブラリの整合性に齟齬があり、公式サーバと相性問題が起きていたと考えられます。
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MinGW によるクロスビルド環境に移行することで、この相性問題は解消されました。
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ビルド環境仮想マシンの公開
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wesnoth-1.8.5-sdlskk-20101019 パッケージの作成に使用した Ubuntu 10.10 日本語 Remix 環境の VMware 仮想マシンが公開済みです。
+本配布パッケージもその環境を Ubuntu 11.04 へアップグレードしたものを使って作成されました。
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各 OS 用に無償で配布されている VMware Player を使って動作させることができますので、これで誰でも手軽にパッケージを更新して配布してくれちゃうことが可能になります。
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